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2014年1月28日 (火)

イスタンブール、ブルーモスクの続き。親切な人々のこと。

ブルーモスク出口で身なりのよいトルコ人初老紳士に声をかけられて、「またか・・・」と思った私ですが、まあ話を聞くような聞かないような感じで、モスクの写真を撮ってました。とにかく彼は、ガイドしたいとか、ものを売りたいとかは決して言わず、でもしつこくもなく、絶妙な距離感で立って、少しずつ話を振って、こちらの様子を伺っています。勝手にわたしのことを「プロフェッサー」などと、呼びます。

さて、アヤソフィアに向かおうかな、と、歩きだしたら、「友達がいるから、その友達がもっと良い撮影スポットに案内するよ」と、年の頃20代なかばかな、という青年を連れてきました。このあと、アヤソフィアまではずっとこの青年が一緒でした。

ブルーモスクからはアヤソフィアはよく見えていて、迷うことなく歩いていけます。彼が居ようが居まいが、歩いていく方向は同じなので、別に相手にしていたわけではないのですが、まあこのトルコ人青年、よくしゃべります。名前は忘れましたが、クリスチャンスレーターに似てたのでここではクリスと呼びましょう。このクリス、日本のこともよく勉強しています。きっと、伝統芸の修行中なのでしょう。誰かに訓練されたのか、うまいこと、決してしつこくなく、慎重に間合いを見計らいながら、ついてきます。

20140128_214850▲アヤソフィア。ブルーモスク側から撮影。撮影中、クリスはずっと脇でしゃべりっぱなし。

20140128_215228▲アヤソフィア側から、ブルーモスク。もちろん傍にはクリス青年。うるさくてうまく撮れない。

さて、アヤソフィアが近づいてきました。近づくにつれ、クリスに焦りが見え始めました。「地下宮殿に行こう」と、しきりに誘うようになりました。さらに「地下宮殿の近くに、すごく安いペルシャ絨毯と、アートの店があって、皆買っていくんです。本当にそこに行きましょう」と。あらら。魂胆を吐露しちゃいました。こういう点、クリスは修行が足りないですね。「アヤソフィアはこれから入っても、すぐに閉まってしまいますから、明日にしたほうがいい。さあ、地下宮殿へ行きましょう」。

アヤソフィアの入口の入場券売り場は長蛇の列だったので、並ぼうかとしましたが、クリスのほうは言葉を尽くして、とにかく並ばせまいと、とてもしつこかったです。と・・・「この人は絨毯を売ってだまそうとしてますから注意したほうがいいよ」・・・ん?日本語?振り返ると、体の大きい、いかにも人のよさそうな、身なりきちんとしたトルコ人中年男性がたっています。多少、訛があるものの、明らかに日本滞在経験ありの実践日本語で、私に話しかけてきます。本当に偶然通りかかって、困っている私を助けようとしているとしか思えません。

若きクリスは、ちょっと面喰った様子で、周りを見回していました。すると、なんと、さきほどブルーモスク出口で「いいアングルですね」と声をかけてきた紳士と、その手下らしき男性数名が、雑踏のなかから不意にあらわれ、若きクリスを囲んで、さーっと回収していきました。こうして、名付けて「アングル団」とクリス青年は雑踏のなかにいずこともなく消えてしまいました。考えてみれば、アングル団の団長の紳士と手下はずっと私の傍にいたのです。おそろしい・・・そして変幻自在にあらわれては、さっと消えてしまう、まさに伝統芸を見せていただきました。

さて、アヤソフィア入口に残された私と、いかにも頼りになりそうな日本語を話す中年男性。歳のころは私と同じぐらいです。カーリーヘアで体が大きいので、ここでは勝手に「アンドレ」と呼ぶことにします。そのアンドレ曰く「困ってるみたいだったからね、注意したほうがいいよ、助けようとおもってね」と。そして、数年前に大阪にいて日本人には本当に親切にしてもらった、とても好き、恩返ししたいといつも思ってる、などなど、アンドレもまあよくしゃべります。そして「ああ、本当にうれしい。楽しいねぇ。これも何かの縁っていうことでしょうから、どうです、そのへんで少しお茶でも飲んでおしゃべりしましょう。アヤソフィアはこれから入っても、すぐに上の階のモザイクはしまっちゃうから、本当に明日にしたほうがいいですよ」。親切にされて、信頼できそうな人からそういわれると、本当にそうなのかな、と、思ってしまいます。もし明日にできるのなら、信じてしまっていたかも。

でも、悲しい事ですが信じてはいけない感じがしました。この後のイスタンブール滞在中にはこんな感じの人に何度か声をかけられましたが、今、振り返って考えてみると、この人たち自体はきっと悪くない人だろうし悪いことはしないんでしょうが、日本語ができるからちょっと街をぶらぶらして、あわよくば、お小遣いかせぎを狙っている手合いだったんだろうと思います。日本語能力と人の好さそうな外見とで、日本人を知り合いの店につれていき、いくらかお小遣いを貰うとかそんな感じなのかなと思います。アンドレはそこまでで、連れて行った後は、ひょっとするとアングル団みたいなのが出てくるのかもしれません。観光客相手の伝統芸と、その活用の場がしっかりあるのでしょう。あくまで想像ですが。

私はアンドレの申し出を日本語で丁重に断りました。「明日は時間もないし、今日見るしかないです。閉まっててもそれは仕方ないですね」という私の言葉に、「そうだね、まあ、とにかく困ってたみたいだったからね。でもすぐ閉まるのにホントにもったいないね、もったいない。列もすごく時間かかるしね。諦めて食事にいくのがいいですね」と。でも私の意思が固そうなのを察するとすぐに、続けて、「でもそうね、うん、ホント、困ってたみたいだったから助けたかっただけ。じゃあ、楽しんでください。良い旅を。会えて本当に良かったです」と、言って、列にならんでゲートに入る私を見送ってくれました。引き際も見事。きっと根はいい人なんだよね。食事に誘うのは、ちっとも悪い事じゃないし、アングル団達ににとっては良い事ですしね。。などと思ってしまいました。

かくして、次はアヤソフィアです。

つづく。

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